学習の最大の敵(H28.4月号)

皆さんはマズローの欲求の5段階理論というのは良くご存じのことと思います。

 

第一階層の欲求が「生理的欲求」です。生きて行くために基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)です。生存を維持するための最低限の欲求です。

 

第二階層の欲求は「安全の欲求」です。「安全の欲求」には、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。

 

生理的欲求とあわせて、安全の欲求は生命としての基本的な欲求の一つとなります。生命を脅かされないことの欲求で、たとえば、暴力などにより絶え間なく生存を脅かされていると、その危険をいかに回避し安全を確保するかに必死になり、それ以外のことが考えにくくなるわけです。勉強なんてとんでもないということです。

 

第三階層は、「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。

 

第四階層は「尊厳欲求」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求です。ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わります。

 

そして、最後(第五階層)に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれます。そして、この理論は人間に共通にあてはまっているということです。どんな人でもこの理論は当てはまるのです。

 

この欲求の5段階説の特徴は低次の階層の欲求を満たすと次の階層の欲求が生まれるということです。そして、その次の欲求を満たそうと本能が要求してくるということです。

 

つまり、人間は第5階層から順番に欲求を満たさないと次の階層へ進めないということ。これはどういうことかというと、人間の本能はまずは低次の階層の欲求を満たすように人間の感情に指令を出すということなのです。

 

自分の本能が自分自身をコントロールしようとするのです。人間は本能に逆らって生きるということはできません。

 

いちばん低次の生理的欲求が満たされないと、それを満たすことにしか意識が向かないのです。それが満たされるとやっと次の階層「安全・安心の欲求」を満たそうという意識が芽生えるということです。

 

以前こんな生徒がいました。ものすごく一生懸命に頑張っているのになかなか成績が上がらないのです。でもよくよく見ると、授業中よくボーっとしてて、集中できていないのです。

 

理由を聞いてみるとご家庭で他の兄弟姉妹と比較されて、いつも非難されているということだったのでした。あくまでもこれは本人の捉え方ですのでご了承ください。

 

親御さんは本人のためと思って接しておられたのでしょうが、本人にとっては自分の家庭がものすごく居心地が悪く感じていたようなのです。

 

つまり、「安全・安心の欲求」が満たされていないのです。それでその生徒はいつもその欲求に引っ張られて集中できていない、心の底から全力で取り組めないという状態になっていたように思います。

学習の最大の敵はストレスです。ストレスがあると集中して取り組むことができません。

 

その逆に学習の最大の味方はリラックスです。しっかり守られて、何も心配はいらない。そういう環境が学習にとって最高の味方なのです。

 

学習する以前にこの欲求、第三段階までは満たされているかどうか。

 

ご家庭と慶応スクールでぜひ協力してそういう環境を作っていければと思います。きっとお子様は素晴らしい能力を発揮できると思います。

 

ご協力よろしくお願いいたします。

 



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