詭弁(きべん)(H16.9月号)

詭弁(きべん)

 

海の向こうアメリカでは今大統領選挙が大変な盛り上がりを見せている。

先日、そのアメリカ大統領選における共和党大会の模様をテレビのニュースで見た。ブッシュ大統領婦人が演説をしている。こういう事を言っていた。「私たちの子どもたちの命をテロの危険から守ろう、ブッシュこそが私たちの子どもの命を守ってくれる」と。会場を埋め尽くした大観衆は大きな声援を送る。その模様が新聞でも大きく報道されていた。

一方、別の紙面には、イラクのファルージャでアメリカ軍の空爆により子どもを含む17名の命が奪われたと。テロによって人命が奪われるのは許されず、空爆なら子どもの命でも奪って良いという法がアメリカでは通用するらしい。

民主主義の本家であるアメリカでさえ選挙というのは自分一個人の利益のためにあるのだろうか。民主主義とは聞こえはいいが、その本質は単なる利己主義にしか思えない。世の中はすべて自分の利益と他人の利益のぶつかり合いで成り立っている。その一致点を探し共に生きてゆく方策を探さなければならないのではないかと思うのだが。自分の利益にならないもの、自分の利益を脅かすものはこの世から抹殺しても良いというのがどうもアメリカの民主主義のように思えてならない。

仏教では自分の利益と他人の利益は同等であると教える。自分の利益を追求してゆくとそこには他人の利益こそが自分の利益につながるという法則があるのである。だから利他でありなさいと説く。

利他こそ利己なのである。すべては相反する二面を持ち、それは常に同一の次元に存在する。「他人よりも自分、他国よりも自国」。それは同一の次元には存在し得ない。永遠に相反して存在するものだからこの戦いは永遠に続く。どちらかが滅ぶか、両方が壊滅的な打撃を受けるまで続くであろう。

「だからこそ他人を大切にしなさいよ」と今から2千年以上も前にお釈迦様は説かれた。人間の本性とは利己的なものだから気持ちは分からないではないが、あえてそこで一歩ゆずらねばならないのが賢者の道ではないかと思うのだが皆さんはどう思われるでしょうか。



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