必要なもの 必要でないもの(H14.10月号)

必要なもの 必要でないもの

 

最近とんと街中へ出かけることが少なくなった。忙しいせいもあるし、これと言って別に買いたいものがあるわけでもない。若い頃は街に行くと、そこに何かがありそうな気がしていた。何か楽しい事がありそうで、誰かと出会いそうで。でも、今振り返ってみると、そこには結局何もなかったような気がする。生活に必要なものを買いに行く。でも、それって人生には必要なものなのかなと思う。生きているうちにやたら荷物が多くなりすぎて、それを整理するためにまた荷物を買い入れてしまう。

資本主義とは、要は消費主義の事である。消費する事によって成り立っている。生きるために必要な分だけ消費すればいいのだが、ついついそれ以上消費してしまう。売り手側はもっともっと買ってもらうために消費を芸術の域にまで高めて人の心を誘う。流行に乗らない事は、“ダサイ”事であり価値が低い事のような妄想を抱かせる。人と同じような格好をして、同じような生き方をしないと疎外されてしまいそうなそんな恐怖心を抱いてしまう。拠り所がないからそうなってしまう。確固たる自分、きちんと二本足で立ち、歩ける自分になることはたやすい事ではない。でも、一度なってしまうと、何の事はない。本当に必要なもの、必要でないものが見えてくる。必要でないもの、必要でない事、それを人生から取っ払ってしまうと、きっとシンプルで明確になってくるのではないだろうか。要らない物はどんどん捨ててしまって、本当に必要な物、必要な事だけを残す。そうすればもっと余裕が出てくるのかもしれないとそう思う今日この頃なのです。



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