忘己利他(もうこりた)(H14.7月号)

忘己利他(もうこりた)

 

「人間はどこへ行っても一番かわいいのは自分自身である。」とお釈迦様は言われました。人間の本性というものは本当に身勝手なもので、人のためにやっているように見えて実はその裏には自分の欲なり利益なりが隠されている。あのお釈迦様でさえ自分を掘り下げていって結局のところ自分は自分が一番大切であると認めたところから出発しています。そういうふうに造られているのだから仕方がない。誰でも自分が一番かわいい。しかし、世の中はその自己中心の個の集まりだから自己中心では成り立たないと言うところが本当に良くできたものですよね。じゃあだからといって自分をおさえて他人のために生きてゆけばよいのかというとそうでもない。それが我慢になってしまうとこれまたストレスがたまってしまう。じゃあどうすればいいの?あっちを立てればこっちが立たず。こっちを立てればあっちが立たず。数学のようにすべての問題の解き方が、参考書でもあってそれを調べれば簡単に答えが出るといった代物ではない。映画のように悩める主人公にどこからともなく悟った老人が現れて道を教えてくれる・・・なんてそんな甘いものじゃない。問題に直面してもその解き方すら分からないと言うのが現実のような気がします。結局行き着くところまで行って、どうしようも無いところまで行き着かなければ見えてこないのかもしれません。さあどっちなんだい?あなたはどっちが大切なんだい?

そしてやっとの思いで一歩踏み出したところがこてんぱんにひどい目に遭う。そこで「もう懲りた・・」と思う。そのとき初めてお釈迦様の言う「忘己利他」がどういうものなのか身にしみて分かるのかもしれません。う~ん、人生奥は深く、ハードルは・・・高い。

ここで一句

雨垂れに知れば知るほど小さき我が身

知らぬことすら知らないままよ



記事タイトル一覧に戻る