“脳を育てる”(H14.6月号)

“脳を育てる”

 

だんだん暑い日が続くようになってきました。生徒達は1ヶ月後の中体連めざして毎日がんばっているようです。授業の欠席者も目立ちます。テレビでは連日ワールドカップの話題でもちきりです。ひょっとしたら日本の試合が行われる日は授業にだれも出席しないのではないかと心配している今日この頃です。日本が強いと試合が見たくなるのも人情というものでしょう。何とか乗り切ってゆきたいと思います。

さて、こういった世間のいろいろな行事のせいもあるのか、最近なかなか勉強に身が入らない生徒も目立ちます。宿題やチェックテストの勉強などなかなかしっかりとはやってきてくれない。かといって全くやる気がないようでもない。といってやる気に満ちているわけでもない。しかし各教科の内容に関心を持って取り組んでいるというような生徒は・・・う~ん、どれだけいるのだろう?もし、入試がなかったら誰も勉強しないのではないかとさえ思うのです。

本来、義務教育課程での小中学校で学習する内容は人間がこの社会で生きてゆくために、また将来豊かな人生を送るためにはとても重要なことばかりのように思います。しかし、その重要性は大人になった今だからこそ分かるので、この子供達にそれを理解させるのは困難なことなのかもしれません。でも、大人である私たちの多くがもっと勉強しておけば良かったと後悔しているのも事実で、やはり今しっかりとした学力は付けておかねばなりません。入試があるからこそ勉強するというのも分かりますが、本来は自分の将来ありたい自分になるために勉強しなくてはならないもの。そこをうまく理解してもらって、そしてやる気を持って取り組んでほしいところなのですが・・・なかなか現実は厳しいのです。

最近あるおもしろい本を読みました。一つは「本当の学力をつける本」(文藝春秋)、もう一つは「自分の脳を自分で育てる」(くもん出版)。ともに子供達の学力をつけることに関する本です。特に「自分の脳を自分で育てる」は、脳の仕組み、人間の行動と脳の活動との関わりを最新の機械を使ってビジュアルにみせて分かりやすく解説したもので、中学生向けに書かれたものです。この2冊に共通することは脳と学力の関係、そして脳を活性化させることが学力アップにつながり、新たな人間の可能性を切り開いてくれると言うことです。

子供が勉強に熱心に取り組んでくれないとついついなぜ勉強しないのかと子供を責めてしまいがちになります。そして、今の勉強がどんなに大切なことなのかを切々と子供に説いてしまいます。子供の方はそんなことは分かってると言わんばかりな態度になる。なかなか思ったようには動いてくれないものです。長年この仕事に携わってきて、子供のやる気を引き出すと言うことが一番難しい。ありとあらゆる手を使って試みるのですがなかなか思ったようにはいきません。

しかし、人間はそのような成長過程をたどりながら大人になって行くわけですが、ある時期人それぞれ勉強に目覚める時があるものです。勉強することの大切さも自覚します。それをいかに早い時期に迎えるかによってその後の人生に大きな差が出てくるように思います。つまり、やる気と脳の発達とは大きな関係があるのです。脳を鍛えて早い時期から活性化させると言うことはとても大切なことなのです。

得てして「勉強ばかりしてると頭でっかちになって・・・」というような表現がなされますが、私は遊びも勉強もすべてが大切なことであって、それが一方に偏ることが問題であると思います。小学校の頃はのびのび育てることが大切で勉強は二の次でいいというような論理がまかり通ることがありますが、学習習慣が身についていないことで苦労するのは当の本人でありそしてその親なのです。

遊びも大切、勉強も大切なのです。そして、脳を活性化させ、脳を鍛える。それが今一番子供達に大切なことであると思うのですが、みなさんはどうお考えになられるでしょうか。



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