教育委員4年目に思うこと(H14.5月号)

教育委員4年目に思うこと

 

過ごしやすい日が続きます。この季節はやはりアウトドア。思いっきり自然の中でその息吹を感じるすがすがしさは何物にも代え難い心地よさです。山もいい、海もいい、今度のゴールデンウィーク、みなさんはどうお過ごしなんでしょうか。

さて、西合志町の教育委員を仰せつかって早3年と半年、今年9月で任期が終わります。私のような民間教育に携わっているものから公教育の現場を見ると良きにつけ悪しきにつけ色々なことが見えてきます。いわゆる行政というものを間近で見てきたわけですが、なかなか難しい部分を感じずにはおれません。

この教育界というものはどこか医学界と似たようなところがあるのでしょうか、従事する人たちは一般の方々からするといわゆる“先生”の立場にある人たちです。ですから失敗はゆるされないし、多くの子供達やその保護者からは信頼されるものでなければなりません。どうしてもそういう意識が当事者達にあるためでしょうか体面を大変重んじる気風があります。しかし、違う部分もあります。医者は病気を治せばよいわけで、その技術と深い知識が何よりも重んじられます。しかしこと教師はそういうわけには行きません。学力はさることながら子供の人格形成にも深く関わってゆくからです。医者は患者さんの病気は治しますがその人格までは責任を負いません。でも教師は違います。子供を預ける以上聖人君子的なところが求められるのも無理はないことだとは思います。それはその性質上仕方のないことですが、世間一般から求められていると本人が思っているその観念が当事者をとても窮屈にしてしまっているところも大いにあるような気がします。そのためでしょうか、とても儀礼的な行事が多い。そして、お互いの体面や体裁をとても大事にする。それはそれでとても良いことだとは思いますが、体面を重んじるあまりに言いたいことも言えないようなところもあります。それが柔軟な発想を阻み進歩を阻害しているきらいがあるようにも思います。

塾に携わる私たちもそれと似たようなところはありますが、こちらは民間の会社ですので、まずお客様があります。改善点はこちらから相手に聞き出すぐらいしてどんどん改善してゆかないと生き残って行けません。そういう環境で生きている私からするとやはりそのギャップには驚いてしまうのです。

今、日本の社会は色々なところで歪みが出てきています。今まではそれで良かったんでしょう。しかし21世紀になった今、ちょっとおかしい・・・。今までの手法や考え方ではもうやって行けない時代になったのではないか。あっちも立て、こっちも立て、そして八方丸く収める旧来のやり方がもう通用しなくなってきているのではないか・・とそう思うようになってきたのです。相手が誰であろうと言うべきことは言う。相手のメンツもあるでしょう。しかし、「お客様」・・・子供達や保護者のみなさんはそれよりも大切なのです。

教育委員も残り半年。今までは旧来のやり方を尊重して波風を立てずにやってきました。しかし、振り返ってみると私の残したものは何もないような気がします。旧来のやり方はもういいだろう。これからは嫌われ者になるぐらいの覚悟でやらないと本当の職責を果たせないのでは・・と。季節のせいでしょうか、そう積極的になっている今日この頃なのです。

そこで一句

 春風や 波風立たぬは 無きもおなじことなり

 字余り



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