中秋の名月(H13.10月号)

中秋の名月

 日中はまだまだ日差しの強さを感じますが、朝夕はめっきり涼しくなってきました。とてもさわやかな季節になりました。今年もあと3ヶ月、月日のたつのは本当に早いものです。あっという間にまた一つ年をとってしまいます。

先日アメリカで起こったテロ事件は本当に衝撃的でした。映画の1シーンを見ているようで、今まであの手の映画を作ってきたアメリカで本当にあのようなことが起こるとは何とも皮肉なことです。実際にあのビルの崩壊の瞬間に現場で犠牲になられた方々の思いを考えるととてもやりきれない思いになります。その恐怖は想像を絶するものだったでしょう。犠牲になられた方々のご冥福を祈りたいと思います。

ブッシュ大統領はこの事件に対して毅然と報復措置をとるという姿勢で、国民の90%以上の人たちがそれを支持しています。日本の国内でもそれを支持する人が50%近い数字でした。テロは憎むべきことですが、今回のこのテロもアメリカに対する報復であることを考えれば結局報復合戦になってしまい、終わりなき戦いの泥沼にまた一歩深く足を踏み入れたことになるのではないかと考えてしまいます。

仏教では現世は因果によって成り立つと教えています。すべてには原因があり、それに色々な縁がかかわり、そしてその結果が現在のありようであるといっています。原因を取り除かない限りこの世の苦しみからは逃れられないというのが根本的な考え方です。であるならば今回の事件もその原因を取り除かない限り、また新たな悲しみ、苦しみ、そして憎しみを生み出す結果になるのではないでしょうか。テロは憎むべき事ですが、ここで一歩下がって冷静に考える必要があると思います。

アメリカの議会で報復行為に対する採決を取るとき、ただ一人報復に反対した議員がいました。この議員のもとにはおびただしい数の抗議や脅迫、嫌がらせが寄せられたそうです。イデオロギーに違いはあっても、「和をもって貴し」とした聖徳太子の偉大さを考える今日この頃なのです。

夜空を見上げれば中秋の名月。あのお月さんはこんな人間の歴史をずっと見てきているんだよなぁ・・・。

ここで一句

見上げれば 秋の夜空に 満月の

        涙かくして 時は過ぎゆく

お粗末



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